3.都市農業の振興について

○浜田質問
イチジクの苗

 千葉県の平成17年度農業出荷額は、前年より63億円減少し、全国第4位に後退してしまいました。平成6年以降維持しつづけてきた全国第2位の座を明け渡したことは、大変残念なことであります。

 特に、野菜部門出荷額では1位を奪還したものの、前年から107億円減少しており、このことが大きく影響しているものと考えられます。

 この野菜の生産額全体の43%を占めるのが、都市農業地域と呼ばれる27市町村の地域です。都市近郊農業は、大消費地に近いという地理的な優位性を背景に発展してきました。種々の野菜・果樹を生産し、本県の園芸農業を支える重要な地域となっています。

 都市農業では、限られた農地を有効に利用して、新鮮な野菜や果物を多くの県民をはじめ、首都圏の消費者に供給してきました。最近では、直売活動に積極的に取り組んでいる農家や、減農薬・減肥料の農産物の生産に取り組んでいる農家も少なくありません。

 また、農地は都会の中で貴重な緑地空間として、住民にやすらぎや潤いを与えるとともに、火災時には延焼防止帯として、地震時には避難場所としても重要な役割を果たしています。

 しかしながら、近年、国内農産物の価格低迷や都市化の進展などにより、農業所得だけでは生活できず、会社勤めをする人が多くなり、農家数も減ってきている状況が見られます。

 加えて、都市地域特有の課題も多くなってきております。露地野菜や果樹では、近接した住宅地への農薬の飛散を防いだり、昨年5月のポジティブリスト制度の導入を受け、隣の畑への農薬の飛散を防ぐための対策が強く求められています。

 また、軟弱野菜などの施設園芸では、原油の価格高騰に伴う資材費や暖房費の増加に苦慮しています。

 このほか、農業機械による騒音や肥料臭、土埃などを巡る苦情などもあり、農作業に支障をきたすケースもあると聞いております。

 農業の振興については、国・県をあげて力を注いでいることは承知しておりますが、先ほど申し上げた課題を少しでも解消し、都市農業を振興していくことが重要であると考えます。

 そこで、お伺いいたします


○質問1

 都市農業の中核をなしている野菜などの園芸部門について、施設化の推進など生産振興対策を今後どのように展開しようと考えているのか。

○農林水産部長答弁

 都市地域の農業出荷額は県全体の36%ですが、部門別で見ると野菜は43%、果樹では81%を占めるなど、都市地域の園芸振興は極めて重要であると考えています。

 しかしながら、消費地に近いという有利性がある反面、住宅地に囲まれ規模拡大が困難なこと、農薬飛散や農業機械の騒音問題など、都市地域特有の課題を抱えています。

 そこで平成19年度は

  1. 「園芸王国ちば」強化支援事業に都市農業の特別枠を設け、施設化や農薬飛散防止施設の導入支援
  2. 需要が安定している「ホウレンソウ」や「こまつな」などの周年栽培の拡大
  3. 大玉で高品質な梨の新品種「あかづき」や、カロテンの多いニンジンなど、新たな品種の産地化

 などに取り組み、今まで以上に収益性が高い園芸農業を推進していきます。


○質問2

 都市地域の遊休農地や後継者問題などをどう捉え、今後、都市農業をどのように振興しようとしているのか。

○農林水産部長答弁

 都市地域の農業は、作物の生産地としてだけでなく、癒しや防災空間としての機能も有しています。

 しかし、耕作放棄地は10年前の1.7倍に増加しており、後継者については、平成13年からの5年間で、県全体の約半数に当たる436人が就農していますが、十分とは言えません。

 県では、身近に多くの消費者を抱える立地条件を生かし、

  1. 採りたてで、生産者の顔が見える農産物を供給する直売所
  2. ナシやイチゴのもぎ取りができる観光農園
  3. 都市住民が土と触れ合い、野菜づくりなどを楽しめる市民農園

 などの整備を推進し、後継者が意欲を持って取り組める収益性の高い都市農業の振興を図っていきます。

 併せて、平成19年度から、都市農業への理解を促進するため、生産者と住民との交流イベントの開催や、住民参加による景観作物の栽培などを支援し、地域住民と共生する都市農業の構築を目指していきます。